海外での音楽素材事情

フリー音楽素材サイトの利用規約まとめで、日本のフリー音楽素材の状況について調べました。

どこまで「フリー」なのか、バラつきはあったものの、概ね「無料」という意味で使われているようでした。

無料で使用目的まで自由という、太っ腹な日本のフリー音楽素材に該当するものって海外にもあるのでしょうか?

似た概念がないかと探してみると、

  • Free Music
  • Royalty-free music
  • Stock-music
  • Production music
  • Pre-Cleared Music

こんなところが引っかかってきますが・・・

Free Music

英語版wikipediaの記述を読むと、

‘Free music is music that, like free software, can freely be copied, distributed and modified for any purpose. Thus free music is either in the public domain or licensed under a free license by the artist or copyright holder themselves, often as a method of promotion. It does not mean that there should be no fee involved. The word free refers to freedom (as in free software), not to price.[1]
(Wikipedia http://en.wikipedia.org/wiki/Free_music 16 June 2012)

フリーミュージックとはパブリックドメインかフリーライセンスのどちらかであり、「これは手数料が発生しないことを意味しているわけではない」、と記載されています。また、「フリーとはフリーダムを意味し、無料であるわけではない」ともあります。海外でFreeMusicと言うと、自由に使用、コピー、改変できるが、無料ではない音楽を指すようです。ほとんどが無料であり、しかも改変やコピーの制限がついている日本の「フリー音楽素材」とはちょっと異なるようですね。

Royalty-free music

ロイヤリティー・フリー・ミュージック。こちらも英語版wikipediaに助けてもらいます。

Royalty-free music commonly refers to stock or ‘library music’ licensed for a single fee, without the need to pay any subsequent royalties.(Wikipedia http://en.wikipedia.org/wiki/Royalty-free_music 11 June 2012)

つまり、ロイヤリティーフリーミュージックとはストック・ミュージック、またはライブラリー・ミュージックを指し、音楽一つ一つに個別に料金を支払うことで自由に使用できるもの、と書かれています。本来「ロイヤリティー・フリー」とはライセンス料金の支払いの1形態であり(他にライツマネージ、ライツレディなどがある)、使用目的や、著作権がどうなっているかとは別次元の概念ではないでしょうか。当然ですが無料ではありません。

Stock-Music

写真の世界では以前よりストック・フォトという概念が存在しました。それは、写真ごとの個別の手数料を支払えば素材として自由に使用できる、というものです。ストック・ミュージックは明らかにその概念を継承しています。個別に料金を支払うことから、その中身はロイヤリティー・フリー・ミュージックと同一でしょう。

Production music

Production music (also known as stock music or library music) is the name given to recorded music produced and owned by production music libraries and licensed to customers for use in film, television, radio and other media.(Wikipedia http://en.wikipedia.org/wiki/Production_music 11 July 2012)

プロダクション・ミュージックは「テレビ、ラジオ、その他のメディアに使用できるようにライセンスされている」とwikipediaには書かれています。限りなく日本のフリー音楽素材に近いですが、無料ではありません。また、「別名ストック・ミュージックやライブラリー・ミュージック」とも書いてあります。えー?要するに、結局これらは同じものなのか?^_^;
musicrevolution.comのように、有料コンテンツの中に無料のものを数点用意していたりする場合もあります。この部分は「Free Production Music」となっていますね。

Pre-Cleared Music

music that has been pre-negotiated for price, distribution and legal use, generally through licensing for film, video, television (commercials and programs), Internet, events, video games and multimedia productions.(Wikipedia http://en.wikipedia.org/wiki/Music_licensing 16 May 2012)

映画、ゲームなどに使用する際の価格、表示などについて事前に著作権をクリアしている音楽。これも無料というわけではありません。

日本のフリー音楽素材サイトに該当するものを探す

これらを踏まえ、元々「自由に使える」という意味を内包している「Production Music」や「Stock Music」に「Free」を付ければこれは「無料」を意味するのではないか?そんな発想から検索し、辛うじてこんなサイトを一つ見つけることができました。これは完全に日本のフリー音楽素材サイトと同じコンセプトですね!
freepublicmusic.com

ですが、これ以外では有料のサイトが多くヒットします。
また、無料なのは有料コンテンツのごく一部だったりします。

こんなサイトも見つかりました。
sampleswap.org
多数のユーザーが曲や音を提供していますが・・・明らかに投稿者が制作したものではない、昔のパブリックドメインミュージックがアップロードされていたり・・・
ユーザーが作成したと思しき楽曲群はコチラにPre-Cleared Musicとしてカテゴリされていますが、これらは楽曲毎にクリエイティブコモンズライセンスによってライセンスされています。これを見ると曲によっては全く改変できないし、著作権表示が必要なものばかり。

まとめ

どうやら日本の「フリー音楽素材」に該当するような無料のものは、海外では有料コンテンツの付属物(つまりエサ)として存在していることが多いのではないでしょうか?

これは予想ですが、欧米では著作権やその支払いに関する考え方が浸透しているからではないかな?と。

日本人の何%がロイヤリティ・フリーの意味を理解しているでしょうか。日本の著作権に対する考え方がイマイチなのは、著作権フリーと謳いながら著作権の所持を主張するあたりからも伺えます。

それはさておき。

無料で自由に使えるフリー音楽素材。

どうも日本独自の文化なのではないかと思えてきます。

更なる考察はまた別の記事に。

| カテゴリ:音楽素材考察 | 2 コメント

“海外での音楽素材事情” への2件のフィードバック

  1. 雑貨 より:

    この記事は、ミュージシャンのためそんなに重要です。音楽の別のタイプのポイントです。共有していただきありがとうございます。

  2. [...] 海外での音楽素材事情でも触れましたが、海外を見渡しても、商用にまで無料で使えるというのは中々無いんじゃないでしょうか。 [...]

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