YouTubeでContent IDによる著作権の申し立てを受ける4つのケース

YouTubeで楽曲のContent IDを悪用して収益を掠め取られる件がまた話題になっていますね。

どちらもわかりやすい記事でおススメです。(が、突っ込みどころもあります・・)

YouTubeでの被使用回数60万件を超えているフリー音楽素材MusMusの楽曲も当然のように数々の不当な申し立てを受けてきました。その経験から、楽曲が原因でContent IDによって申し立てを受けるケースは大きく分けて4種類あることがわかってきました。これがその4種類です。

  • 正当な申し立て
  • 誤った申し立て(巻き込み)
  • 誤った申し立て(サンプリング)
  • 意図的な悪用

音楽素材を配布して13年、たくさん使っていただいたからこそ見えてきた部分をそれぞれまとめてみました。

※ 対処として「異議申し立て」をする場合はその前に記事最後の「異議申し立てをする場合の注意点」をお読みください。

正当な申し立て

著作権者や、著作権者が委託した業者が正当な理由で申し立てを行っているケースです。正しい著作権者や楽曲名で申し立てが送信されます。

申し立て元の例:

  • Muserk(ミュザーク)
  • Muserk Rights Management
  • ASCAP
  • BMI
  • SESAC
  • TRACKS
  • TuneCore

Muserkは、ASCAP、BMI、SESACはJASRACが公式に米国での管理を委託している団体です。よく引き合いに出されるJASRACとYouTubeの包括契約は、実は日本向け公開と日本国内における視聴等と限定されています。

そのためJASRACは海外での著作権管理を業者に委託しており、例えば米国での録音権はMuserk、演奏権はASCAP、といったように分割して委託されています。ですので、1曲のJASRAC管理曲の演奏に対して多数の管理団体からいっぺんに申し立てが送られてくるのです。

A 「Muserk(もしくは Muserk Rights Management)」とは、配信利用における録音権の管理に特化 した、米国の著作権管理事業者です。 JASRAC は 2020 年 3 月から、JASRAC の管理する国内楽曲が米国において YouTube で配信さ れる際の録音使用料の徴収を、Muserk 社に委託する契約を結んでいます。 YouTube 上では Muserk Rights Management の名称が用いられています。 Muserk Rights Management は JASRAC から委託を受けた正当な権利者です。

米国におけるYouTubeでの配信に伴う録音権使用料の徴収について、米国Muserk社と管理委託契約を締結 – JASRACプレスリリース – 2020年4月30日

TRACKS、TuneCoreなども同様にYouTube上でのContent ID管理を代行する企業です。(ユーザーが悪用できなくもないですが・・)

誤った申し立て(巻き込み)

このケースは、申し立て元がコンテンツ(たとえばMV)をYouTubeにアップロードする際に、付随して含まれた他の楽曲を巻き込んでContent IDに登録してしまうというケースです。申し立て元は実際に多数の楽曲を所持するきちんとした企業やレーベルであり、基本的に悪気はありません(不注意だとは思いますが)。また、楽曲名はレーベルが所持している実在の曲名が表示されます。

申し立て元の例:

  • Victor Entertament
  • TOYSFACTORYJP

上記2つはMusMusが実際に経験した申し立て元ですが、どのレーベルのどの曲でも起こり得るのではないかと思います。

また、特徴として申し立てを受けた楽曲名や楽曲の内容が全然違うということが挙げられます。

例えばMusMusでは「熱砂」という楽曲を動画に使用するとTOYSFACTORYJPよりSEKAI NO OWARIの「スノーマジックファンタジー」として申し立てを受けるというケースがありました。もちろん曲名も曲調も全く似ていません。

とはいえ、このケースは2013年ごろ頻発しましたが最近は経験していません。企業側での対応やチェック体制が確立したのかもしれません。

対処法

このケースはまず異議申し立てをして良いと思われます。たいていは間違った申し立てと判断されすぐ取り下げてくれます。ですが、企業によっては異議申し立ての対応を自動化しているようで却下されることもあるようです。そのような場合は企業の窓口へ連絡することで取り下げとなったケースもありました。

誤った申し立て(サンプリング)

ある楽曲をサンプリングして別の楽曲を作り、その別楽曲がContent IDに登録されたケースです。ヒップホップではよくある手法ですね。ぼくもNujabesさんとか大好きですしこの手法を完全に否定したくはないのですが、作曲者の許可なくサンプリングしてそれを勝手にContent IDに登録するのはどうかとは思います。

このケースの特徴として、申し立てを受ける楽曲名が原曲と全く異なることが挙げられます。MusMusでは、「雪と子供」が「Gentle Night」、「古き良き日々」が「Jazz Piano」として申し立てを受けました。

申し立て元例:

  • Believe Music

対処法

あなたが著作権者ではなく、許可を得て楽曲を使用した個人であれば異議申し立てが基本です。
ですが、あなたが作曲者や著作権者で利益を掠め取られている場合は対処がとても大変です。下記の別記事が参考になるかもしれません。

意図的な悪用

これについては、詐欺師が「うちは詐欺やっています」と言うことはないので少し推測が入ってしまいますが・・・いわゆるYouTubeトロールと呼ばれる集団と思われます。誰かの曲を勝手にContent ID登録して利益を掠め取ろうとする集団です。

申し立て元例:

  • KOMCA_CS
  • WAMI_CS
  • MACP
  • SUISA_SESAC_CS
  • UMPG Publishing

このケースでは、楽曲名が正しい場合と他の適当な楽曲名がついているケースの両方があるようです。

楽曲名が正しい場合にやっかいなのは、申し立てを受けた人はこれが正当な申し立て元なのかどうか判別できないところです。あなたが作曲者、著作権者であれば、「そんなところには委託していない!」とすぐわかるのですが。

対処法

楽曲使用に問題が無いとお考えであれば異議申し立てでよいでしょう。
ただし、異議申し立てを却下してくる集団もあるようですので注意が必要です。

【重要】異議申し立てをする場合の注意点

2020年7月現在、YouTubeのシステム上、Content IDによる申し立てに対して「異議申し立て」が可能です。

異議申し立てが送信されると、申し立て元はそれに対して「取り下げ」「何もしない」「動画を削除」「申したて維持」を選択できます。

「取り下げ」は申し立ての即時取り下げ、「何もしない」は30日間の期限切れまで何もしないことで最終的には「取り下げ」となります。

「動画を削除」は、相手が著作権侵害の警告を受ける厳しい選択です。ですが、詐欺集団はこれをまず選びません。これをやってしまうと収益がなくなるためだと思われます。また、削除が必要な場合はそもそもContent IDで収益獲得は選択せず、最初から削除の対応を取っているはずです。

問題は「申し立て維持」です。異議申し立てを却下して申し立て維持を選択された場合は当然申し立ては生きたままになります。

これに対して2度目の異議申し立て(再審査請求)を送信することができるのですが、ここが重要です!2度目の異議申し立てを送信しそれが却下された場合、今度は申し立てを受けている方に7日間の期限を設けた選択が迫られます。この7日間に動画を削除するか楽曲を差し替えるなどの対応をしなかった場合、著作権侵害の警告を受けてしまいます。

以上から、異議申し立てはほとんどの場合で有効な手段ですし、申し立て元の収益が無くなるため動画削除+著作権侵害の警告まで行くことは少ないと思われますが、それでもそのようなリスクがあることは承知しておいた方がよいと思います。著作権侵害の警告は、初回はお目こぼし、その後一定期間に3回受けることでアカウントが停止します。

総合すると、あなたのチャンネルが著作権侵害の警告を受けていない場合は1回目の異議申し立てはまず送信してよいかもしれません。

それを却下された場合の再審査請求は安易に送信せず、本来の著作権者に相談するのが良いと思われます。

いずれにせよ、異議申し立てを行う場合はリスクと必要性を考えて自己責任でお願いします。

まとめ

Content IDでの申し立てにはいくつかの異なる理由、パターンがあります。それを見極めましょう。

異議申し立てはリスクもあるのでよく判断して自己責任で!

あなたが著作権侵害の警告を受けていない状態であれば、1回目の異議申し立てはあまり気にせず送ってもいいかもしれません。

2回目の異議申し立て(再審査請求)は却下されると動画や楽曲の削除、最悪の場合チャンネルのペナルティにつながるリスクがありますので慎重に行いましょう。先に本来の著作権元に相談するのも良いと思います。

あなたが著作権侵害の警告をすでに受けている場合はアカウント停止のリスクがありますので最初から慎重に行動してください。

以上になります。

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