ムラサキ、ムラサキ劍オリジナルサウンドトラックおまけページ
こちらはムラサキおよびムラサキ劍のオリジナルサウンドトラックのおまけページです。もともとCDをご購入いただいた方限定として作ったページでしたが、いずれのサントラもCDでの頒布が終了してから長い時間が経ったこともあり、新作「プリンと盾琴」公開記念として全体公開することとしました。
全体公開にあたり少しだけ加筆修正もしました。お楽しみいただければ幸いです。また内容にゲームのネタバレが含まれていますのでご注意ください。
ムラサキおよびムラサキ劍のオリジナルサウンドトラックをお買い上げいただきありがとうございます。楽曲を担当させていただきました、watsonです。一部からご要望のありました楽曲毎のコメントや裏話などを載せてみました。
ムラサキ 楽曲コメント
- 炭の小径にもえる花
- いりす症候群!からのカタテマファンは「またwatsonかよ!じゃあまたダウナーかよ!」って思うんだろうなぁ、じゃあ1曲目はそれっぽくスタートしながら途中で一気に世界観をぶち壊してやろう!という考えでこの曲ができました。いりすでも使ったピアノの音をベンドしています。
- ニブンノニ
- 1ステージはチュートリアル的とのことで、いかにもボス曲!という曲を作ることにしました。メロディは左右違う音で鳴らすようにしました。さてどちらがどちらの声なのか・・・2分の2拍子の曲にすればよかったと後で少し後悔してます。
- 囲われたセカイ
- 雷鳴は曲の一部なのですが、ゲーム中での雷鳴効果はそれに合わせたもので、てつ氏のこだわりポイントだそうです。何気にベースがこの曲の主役だと思っています。
- 蛙鳴戦争
- 冒頭のファンファーレは決闘のイメージです。初期設定の灰牙のキーワードに「決闘」と書いてあったからですが、フタを開けたら誰とでも決闘するゲームだった(笑)
- 月の池で瑠璃を釣る
- 移り気な水の流れをイメージし、途中でテンポや曲調が変わる曲。ほんとは10回くらい変えたかったけど途中で力尽きました・・・
- 遠雷は迷い子を告げる
- 流々々はちょっと中華風という噂があったのでグリッサンドするストリングスで中華的雰囲気を狙ってみました。
- 草木薫る夢路
- 3拍子ジャズ。場面に合うのか心配でしたが、とてもマッチしてますね。てつ氏がステージ構成の方を曲に寄せてくれたのだと思っています。
- 感傷飛翔
- 自分としては珍しい作曲方法で、対位法とまではいきませんが旋律を先に作り、後からコードを当てはめています。拍子も変則的で作曲的にはムラサキで最もチャレンジした曲かもしれません。
- 明日を見つけに
- ほんとは長い曲なのにゲーム版で聴ける部分は異様に短いというのも面白いかなと思って作ってみました。悪ノリして20分くらいの曲にしてみたかったけど途中で力尽きました・・・
- いつかあの場所で∴
- 最初に作ったバージョンは現在の半分の長さでした。あのままだったら4人はずいぶん慌ただしく集まっていったことでしょう。
- にじいろ
- ムラサキが公開される数年前、この曲が流れる際の演出をてつ氏から聞いたのがぼくにとっての制作の始まりでした。だんだんと楽器が加わっていき、やがてひとつの音楽になる。ゲーム音楽を作りたい人にとってこれほど魅力的なシチュエーションがあるでしょうか?(いやない)。4人がどのようなタイミングで集まるのか?集まる順番は?集まる過程と戦闘を繋げて一つの曲でいくのか、それとも分けるのか?4つの楽器以外を使って良いのか?打ち合わせすることがとても多く、最初に構想を始めたのに最後に完成した曲となりました。
- 夢の香りが残る空
- エンディングってオーケストラ編成の曲が定番な気がしたので、あえて逆に電子音主体な曲にしました。
- いばらの断頭台
- いばらの道の先に待っているのは誰なのか?この曲を丹念に聴き、わずかな信号に耳を傾ければ、その姿を目にする前に自ずと答えが出たのかもしれません。トトトンツートツー・・・
- ツギハギプリンセス
- 6面のテーマは和楽器+エレキギターでしたが、いばらの断頭台よりも激しく歪ませてみました。
- 四海漂流
- 初期公開版ゲームには無かったモードへの追加曲。この曲だけ違う制作環境で作ったので音的にも異質になりましたが、夢ステージということで結果オーライな気がします。ピアノのインプロパートには色んなメロディーが隠れています。当初インプロパートだけで5分くらいやる予定でしたが途中で力尽きました・・・
- カケラ
- かなりのお気に入り曲です。落ち着いてコレクションを眺められるような曲を目指しました。「コレクション画面は、実績システムと音楽室が自然に融合した絶妙なシステムとして設計されたものなので、みんなもっと褒めてほしい(てつ談)」とのことです。
ムラサキ 知らなくてもとくに損しない話
4人の楽器構成
結泣さんの楽器については当初「笛」も考えていました。
にじいろボツ案
4楽器しばりがあまりにも辛く、4人が声を出してコーラスを加えるバージョンも試してみましたが、不気味になったので早々に却下としました。
月の池
一時期サントラ公式で「月の泉」という誤字がありましたが実は誤字はゲームの方で、結局「月の池」が正式名になりました。
2015M3春サークルカット
ムラサキ劍 楽曲コメント
- 目覚めの小風
- 曲の原型がそこそこの数できあがったころ世界爆発(watsonの楽曲制作PCの突然死)が発生、爆発以前の曲たちを、新しい制作環境に移植する必要が生じました。この曲はもともと大好きだったのですが、今聴くと移植の辛さを思い出して吐き気がしてしまいます。
- 御伽毒独
- これも世界爆発以前の曲ですので今聴くと頭痛がしますが、ボス曲でメロディがアコギという珍しさはとても気に入っています。
- 今はのどけし古戦場
- 道中で登場する人物達を考え、ボス曲の片鱗が仕込まれています。
- 倍々芸夢
- 世界爆発以前の曲です。今聴くと移植を思い出して眩暈がします。2面ボスにちょうどいいくらいの、シリアスすぎない感じが良いと思ってます。
- 泪泪湖
- ハウス的な曲にしたかったのですが・・・出来上がってみるといつものぼくの曲でした。解放感ある曲調が広々としたステージに合っているはず。
- すこやか一角嬢
- 「外し」をテーマにしてつかみどころをなくすことを狙いました。「音」を外し、「コード」を外し、「ぼくが最もかっこいいと思うパターン」を外したりしています。なので、よく聴くとダサい部分もたくさん。「ン・タ・ン・タ」なんてスネアのフィルインは本来ダサすぎるわけですが敢えてそういう要素も入れ込んでます。
- 忠節の筒
- だんだん早くなることだけは最初から決まっていた曲。もうちょっと違うアプローチ(ジャズとか)もあったかなぁと今は思います。
- 禍福異服
- 前作にも登場した冒頭のフレーズは、在りし日の彼らの出陣の音色なのかもしれません。
- 三重筐
- かなり自由に作らせてもらってるムラサキでは珍しいリテイク曲。不自然に感じない変拍子がお気に入り。
- 奮い立て無垢な女王
- これも世界爆発以前の曲ですが移植がうまくいったので今聴くと体調が良くなります。てつ氏によればこの曲のタイトルだけは何故か最初から決まっていたと聞いていたのですが、最後の最後で突然さらっと曲名が変更になってます。
- 蒼き劍は黄昏を切り裂く
- 声から入る曲。前作から曲中の声には意味を持たせてたり・・・。ネガティブな要素をなるべく入れず、主人公のテーマのつもりで作りましたがいかがでしょうか?
- 晦冥鳴動
- 音波形をブツ切りにするのはヒップホップやハウスなんかで最早ありふれた手法ですが、ゲーム音楽では聴いたことが無かったのでてつ氏に許可もらってやってみました。あと、昔はゲーム音楽と言えば嘘っこスラップベース(スラップで絶対そんな弾き方せんだろっていう)だったのですが今ではほぼ絶滅状態です。こういうリアリティの無いゲーム的なスラップベースも次世代に残していきたいですね。
- 審判の穂先
- 無機質、無感情を目指したのですが、思ったよりイケイケな感じになってしまいました。
- 虚空遊泳
- 前作同様、ピアノのインプロにボス戦のメロディーを忍ばせました。
- ツナグ
- 5拍子からの3拍子。折り重なる旋律。突然独り取り残される弦楽器のメロディ・・・・お気に入りです。静かな曲なので録音に苦労しました。
ムラサキ劍 知らなくてもとくに損しない話
このページについて
このページはもともと無印ムラサキサントラのおまけとして作成したものです。CDの販売予定が少し変更となったため、このページの存在は喜んでもらえる方全員には行き渡らなかったと思います。そんなわけで、続編ムラサキ劍のおまけページと合体して無印も見れる形にしました。
泪泪湖
当初は泪泪湖がどんな状況にあるかは定まってなかったのですが、水が満ちていることが決まった後にwatsonの勘違いで干上がっているような別設定イメージで作ってしまったボツ曲があったりします。企画書を見返してみてもゲームを作るということは信じられないほど無数にあるアイディアの選択肢をたったひとつに絞っていく凄まじい作業なんだと改めて思い、てつ氏、蓬餅氏には敬服の念に堪えません。
2018M3春サークルカット