「ま・み・む・メリークリスマス!」メットライフ生命のCMソングに隠された緻密な計算
「ま・み・む・メリークリスマス!」
印象的なフレーズのメットライフのCMソングも、スタートして1年が経ちました。
このフレーズのラスト、今は「メット・ライフ・せ・い・め・い!」で終わるのですが、1年前は「メット・ライフ・ア・リ・コ!」だったのを憶えてますか?
前回はCMソングの失敗例として「ビタミン炭酸マッチ(MATCH) CMソングの失敗」みたいなことも書きましたが、こちらのメットライフのCMは本当に良く考えられてると思います。
背景
2013年の年末。保険会社大手のアリコには、日本でのブランド名をメットライフに変更するという重要なミッションがありました。
アリコがメットライフ社に買収されたため、ブランド名をアリコからメットライフに切り替える必要があったからです。(細かく書くと色々複雑ですが、ざっくり書いてます)
日本ではアリコのブランドイメージは強大でした。一方のメットライフはほぼ無名。
メットライフは自身のブランド名を世間に認知させつつ、アリコのもつブランド力をそっくりそのままいただく必要があったはずです。
「メ」ットライフを浸透させるための「ま・み・む」
「ま・み・む」の次は「め」です。
♪ま・み・む・メリー・クリスマス
♪ま・み・む・メットライフ・アリコ
この印象的なフレーズは、「メ」から始まる「メットライフ・アリコ」という名前を世間に認知させるのに役立ったはずです。
最後に「アリコ」を付けて、「アリコ」=「メットライフ」ということもきっちりフレーズ内に収めています。(この辺りがMATCHとは一味違います)
このフレーズはクリスマスの後「ま・み・む・めでたいお正月」に引き継がれ、おそらく世間への認知は成功したのではないでしょうか。うちの子供たちもよく口ずさんでいました。
アリコ外し
CMが流れて半年、世間に「アリコ」=「メットライフ」というイメージが見事に浸透した6月(だったと記憶しています)。
歌詞に変化が現れます。
♪ま・み・む・目指そう次の保険
♪ま・み・む・メットライフ生命
ここにきて「アリコ」が外れました。
これでミッションが終了したことになります。
メから始まるメットライフの認知
↓ ↓
メットライフ=アリコ
↓ ↓
アリコ外し
という三段階を経た壮大なミッションは、こうして幕を閉じました。
恐らくTVをよく見ている人はメットライフ生命という保険会社が大手であることを認知し、更に知らず知らずのうちにアリコのブランドイメージがそのまますり替えられてくっついていると思います。
一種の洗脳ではないかと思うくらい見事なCMソングではないでしょうか?
テレビCMで流れている歌やBGMは視聴者が思っている以上に、時には深層心理にまで影響を与えており、しかもそれを狙ってやるプロフェッショナルな人たちがいる、というお話でした。
コメントを残す