TPPとフリー素材 [著作権の非親告罪化]
本日こんなニュースが流れました。
このニュースで、「え?TPPって経済とか関税の話じゃないの?」と思った方もいるかもしれません。
実際は関税とかだけでなく知的財産権、著作権まわりへのTPPの影響ってかなり大きそうで、MusMusのようなフリーBGM音楽素材サイトもあおりを喰らう可能性大です。
TPPの著作権への影響
著作権保護期間の延長
冒頭のニュースの内容です。70年に延長でほぼ決まりでしょうか。
この部分ではフリー素材サイトへの影響は特にないと思っています。
著作権侵害の非親告罪化
ざっくりいうと、これまでは著作権を侵害しても、著作権者が訴えない限り罪にはなりませんでした。
ですが、この「非親告罪化」によって、警察は著作権者からの訴えがなくても起訴、処罰できるようになります。
当然、第三者からの告発でも警察が動けるようにもなります。
法定賠償金の導入
上の「著作権侵害の非親告罪化」が刑事に関することだとすると、この「法定損害賠償の導入」は民事における損害賠償に関する項目です。
これまでは著作権を侵害されて民事訴訟を起こしたとしても、実際に損害を被った額の請求しかできませんでした。
またまたざっくりですが、法定賠償金が導入されれば、実際の損害額以上の賠償を課すことができるようになります。
金額は、下記の福井弁護士の記事に依れば、「米国では故意の侵害であれば1作品あたり1000万円」とのこと。
これらについては、この記事が素晴らしく詳しいです。
フリー素材サイトへの影響
とにかく著作権侵害の非親告罪化が大きいです。
ぼくたちフリー素材サイトは、大抵の場合著作権は放棄していません。
著作権を保持しつつ、「利用規約の範囲で自由に使っていいよ」と言っているわけです。
ところが、著作権侵害が非親告罪化すると、著作権者の意図と関係なく、警察が摘発したり、第三者が告発したりできてしまう。
これは非常に怖い。
「フリー素材なんて危なくて使えねーよ」となってしまうと非常に困ります。
対策を考えなければいけないのですが、とりあえず真っ先に思いつくのは「著作権の放棄」と「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの付与」です。
が、これを読んでるフリー素材サイトのオーナーさんがいたら、絶対に「著作権の放棄」はしないで欲しいです。取り返しがつきません。
また、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの付与」にも一部取り返しのつかない部分があるので、早まってよく考えずに手を出さない方が良いです。
できればフリー素材サイトが一致団結して情報交換、対策を考えていきたいところです。
もちろん「BGM」「音楽」だけでなく、「イラスト」、「写真」、「テンプレート」なども然りです。
ユーザーさん、サイトオーナーさん、クリエイターさん、全てに思ったより多大な影響が考えられる、TPPの知的財産権への影響。
今後も何か新しい情報があれば記事にしてみたいと思います。
コメントを残す